2014.11号 インドネシア編(3)

皆様こんにちは、株式会社コアブリッジの柳です。
今月号はインドネシア編の最終回です。 今回は現地情報を中心にお届けします。

街の様子

首都ジャカルタは、東南アジアを代表する大都市です。ビルの林立、交通渋滞なども他国の首都と共通しています。
交通規制の一環として、時間限定で三人以上乗車している車のみ通ってよい、という区域もあるとのこと。それを逆手に取って、赤ちゃんを抱いた母親が車に同乗するアルバイトがある(※そうすれば運転手1人でも”三人区域”を通れる)というのだからたくましいものです。
もちろん信号はありますが、車の往来が激しく、徒歩での横断は様子を見て十分に注意しながら渡る必要があります。日本やシンガポール、マレーシア(クアラルンプール)などは、道路をわたる時にさほど不安はないのですが、先回お伝えしているホーチミンシティ(ベトナム)やジャカルタでは、道路を横断しなければならない時に非常にストレスを感じます。
道路の信号設計(数や周期など)は都市化度合いと直結するのではないかと漠然とですが考えています。タイのバンコクやフィリピンのマニラなどで、交通渋滞を緩和するために電車が整備されて市民の足になっているように、各国でも車以外の移動手段が整備されていくでしょう。
街行く車は、感覚的に8割くらいがトヨタ車で、次に多いのがホンダ、たまにスズキやマツダを見かけます。運転は、他国と比べると荒いというほどではありませんが、事故は度々起きているようで、私が滞在中にも見かけました。

店頭に並んでいる電化製品はSONY、SHARP、Panasonicなどの日本製や、SAMSUNG、LGなどの韓国製が大半でした。

人々は概して親切な印象です。親日の国ですが、特に日本人であることを表に出さなくても、友好的に接してくれます。もっとも、愛想が悪い人も大勢いますけどね…

ここでもひったくりとぼったくりには要注意ですが、滞在中に危険な目に遭いそうになることはありませんでした。

ジャカルタ市街地。
独立記念広場入口から見た様子。

通信状況

携帯電話の普及率は121.5%、固定電話が16.1%です(出典:ITU)。
インドネシアで特徴的なのが、携帯電話の機種としてBlackBerryが非常に多く使われていることです。スマートフォンの”走り”とも言える機種で、米国のオバマ大統領が愛用していたことでも知られますが、iPhoneやAndroid端末に押されて見かけなくなっているにもかかわらず、インドネシアではここかしこで目にします。
通信品質は残念ながら良好とは言えません。ホテルで有線ネットワークを使っていてもすぐに切れたりします。

イスラム圏ならでは

レストランに食事に行きメニューを見ると、ベジタリアン向けの料理が必ずあり、また、各料理にはその食材が書かれています。最近日本でも”ハラル”という言葉で、ムスリム(イスラム教徒)向けの食事のことが話題に出ることがありますね。ハラル(ハラール)は、イスラムの教えに合致した”合法的なもの”という意味です。

ホテルで何気なくテレビを点けていた時のこと、ハリウッド映画の”X-Men”を放映していました。何度か見たことがあるし英語なら何とか分かるだろうとしばらく見ていたら、イスラム圏らしい編集が施されていました。主人公ウルヴァリンが葉巻を吸うシーンでは、葉巻にモザイクがかかっています。そしてキスシーンはカットされ、直前のシーンをスローモーションにして時間を引き延ばし音声だけ流していました。酒を飲むシーンはそのままだったので、どこまでが許容範囲なのかは理解できませんでしたが、お国事情が垣間見えました。

インドネシアでの食事

最後はお約束の(?!)食事についてです。マレーシア/インドネシア料理ではナシ・ゴレンが有名ですね。ナシ(Nasi)は「米」、ゴレン(Goreng)は「揚げる」の意味で、いわゆる「焼き飯」です。鶏肉や牛肉など選んだ具が上に乗っていて、付け合わせに目玉焼きやえびせん(エビ味の揚げせんべい)が添えてあることが多いです。

レストランに入ったら、
「米にはNasi、鶏肉料理にはアヤム(Ayam)、麺にはミー(Mie)が付いているので、察しを付けて注文してくれ」
と、店員さんが教えてくれました。焼鳥、焼きそば、魚介類など、日本でもおなじみで、味も馴染みやすいものが結構あります。

現地で食べてみて「これは!」と思ったのが『ガドガド』です。茹でた野菜とゆで卵が皿に盛られていて、その上に濃厚なピーナッツ味の甘辛いソースがたっぷりとかけられています。これが実にイケます!出張中は野菜不足になりがちなのでビタミン補給を気にかけますが、皿一杯の野菜を平らげました。

名前に”Nasi(米)”が付いていたので頼んだら出てきたのがこれ
ガドガド。茹でた野菜に甘味のあるピーナツソースがかかった料理。予想以上に美味しかった!

この10月から大統領が替わって新体制になり、人口や経済の規模からも注目を浴びるインドネシア。日本とのゆかりは深く、今後も友好な関係が期待されます。

これでインドネシア編はひとまず終了です。次号からはフィリピン編をお届けします。
では、また来月お会いしましょう。

※本文中の数値やURL等は執筆当時のものです