2016.03号 ラオス編(1)
皆様こんにちは、株式会社コアブリッジの柳です。
今号からラオス編に移ります。
ラオス概要
ラオス人民民主共和国(Lao People’s Democratic Republic)は、中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーに囲まれた、インドシナ半島の内陸にある、ASEANで唯一海に接しない国です。
面積はだいたい日本の本州と同じくらいですが、人口は2015年時点で649万人で、首都ビエンチャンでも人口82万人と、他国と比べると国民の数は少ないといえます。実際に、ビエンチャンの街も非常にこじんまりとしています。
※数字はラオス統計局から引用。
社会主義政党による一党独裁体制が布かれていますが、実際には資本主義が多く取り入れられています。ちなみに、街のあちこちに、ラオスの国旗とともに旧ソビエト連邦の国旗(赤字に黄色い鎌と鎚)が掲げられているのが印象的です。
タイやミャンマーと同じく上座部仏教の国で、街中に寺院が点在します。どの寺院も華やかな色彩で、しかもとても綺麗な状態で維持されているのが特徴的です。
言語はラオ語で、文字の形状も含めて、タイ語と似ています。ラオス南部は国土の南西側をタイと接していて、タイのテレビ放送を受信できるため、タイ語を理解する人が多いようです。実際に滞在していたホテルでも、タイの番組を放映しているチャンネルがいくつもありました。
英語はあまり通じません。外国人が出入りするホテルや商業施設では英語での対話が可能ですが、他国と比べると達者な人は少ない印象です。空港で政府の職員と話をしたり、街中で課題活動中の大学生からアンケートを受けたりしましたが、どちらもやりとりは少し大変でした。
通貨はKip(キープ。LAKと表記)です。この原稿を書いている時点でのレートはおよそ1JPY=70LAKで、現地通貨額を2桁切り下げて1.5倍すると日本円換算になります。
ラオスキープ以外にも、米ドルやタイバーツが流通しており、外貨支払いが可能な場合には価格表に3通貨の金額が表示されています。物価はものによりますが、物品の価格は日本の半分くらい、サービスや飲食などの料金は、感覚的に五分の一から四分の一くらいです。
日本との時差はマイナス2時間(日本の9時は現地の7時)です。
気候は熱帯に属し、雨季(5〜10月)と乾期(11〜4月)に分かれ、最高気温は40度に達しますが、北部では最低気温は15度にまで下がります。南部にあるビエンチャンでも気温がかなり下がることがあり、実際に私が滞在していた時でも雨上がりには肌寒く、上着が欲しいくらいの日もありました。
治安は比較的良いです。夜は、首都ビエンチャンでさえも、街灯が少なく街が暗くなってしまうので、一人歩きを避けるか十分注意する必要はありますが、日中は物騒な思いをすることは、他国と比較して、そうはありません。ぼったくりに出くわすことが少なく(滞在中はその素振りすら見られなかった)、それだけでも安心感はかなり違います。
外でトイレに行きたくなった時のこと、有料の公衆トイレ(アジアの国ではよくあります)を見つけ入ろうとしましたが、あいにく小額紙幣がありません。緊急事態(?!)ゆえ、やむなく手持ちの一番小さな紙幣を受け付け(?)の老人に出したところ、
「お釣りの手持ちがないので、くずしてくるから先に用を足していてくれ」
とのこと。
『あぁ、これはやられたかな…』と思いつつ済ませて外に出ると、ちゃんとお釣りを用意して渡してくれました。
ささいな、そして日本では当たり前のことですが、こんなことからも印象は変わってくるものです。
ラオスの入出国
首都ビエンチャンの空の玄関口はワッタイ国際空港です。バッゲージクレームが1つのみの、とてもこじんまりとした空港です。
滞在期間が15日以内であれば、観光・商用問わずビザは不要です。入国手続きも、イミグレーションでパスポートと入国カードを提示するのみです。
入国直後の三タスク
毎度おなじみの、両替と移動手段確保と携帯電話のSIMカード調達方法です。
両替は、バッゲージクレームのあるフロアの出口か、空港ロビー内にある銀行のブースで行えます。
空港から市街地への移動手段はタクシーです。カウンターでタクシー券を買います。このため、到着時のタクシーの客引きがなく、だいぶ気が楽です。
市街地までのタクシーの料金は、車種によって異なりますが、普通車で57,000Kip(約850円)です。この時に乗ったタクシーの車両はエアコン付きの新車で、非常に快適でした。空港から市街地までは比較的近く、10〜15分程度です。
携帯電話のSIMカードは、タクシー券を買ったカウンターの隣で販売されていました。3G方式の通信のみ(通話なし)、1.5GBの通信上限で70,000Kip(約1,000円)でした。他にも、通話ありや4G通信などのプランもあります。
ちなみに、ビエンチャンはメコン川を挟んでタイと接する位置にあるため、タイの携帯電話の電波がギリギリ届きます。
今号は以上で終了です。次回はラオスの歴史をお届けします。
ではまた次号でお会いしましょう。