2015.09号 ミャンマー編(1)

皆様こんにちは、株式会社コアブリッジの柳です。
今号からミャンマー編をお届けします。

ミャンマー概要

ミャンマー連邦共和国(Republic of the Union of Myanmar)は、面積が日本の1.8倍、人口5,142万人、ASEAN10カ国で最西端にあり、インドに唯一隣接する南北に伸びた国です。
日本との時差は2時間30分(日本のほうが進んでいる)、季節は3月中旬〜5月中旬の暑気、5月下旬〜10月中旬の雨期、10月下旬〜3月上旬の乾期の3つに分かれます。
1989年に当時の軍事政権が国名をビルマ(Burma。実際の発音は”バーマ”に近い)からミャンマー(Myanmar)に変更し、日本の外務省もミャンマーの呼称を用いています。
首都はネーピードーです。「ヤンゴンでは?」と思う方も多いでしょうが、2006年に、最大都市ヤンゴン(ラングーン)から北300kmの場所に、首都機能が移転されました。
国民の9割が仏教徒で、タイと同じ上座部仏教を信仰しています。
ビルマ族が7割を占めますが、130を超える少数民族が居住しており、この国の政治の難しさや紛争の要因になっています。
※数字等は外務省のWebサイトから引用

ヤンゴンの街の様子。
右の写真に写っている金の仏塔は、街のど真ん中に建つ”スーレーパヤー”。
巨大な仏塔”シュエダゴンパヤー”とともにヤンゴンのシンボルです。

歴史の大きな流れとしては、

[su_note note_color=”#ddd”]ビルマ各王朝→イギリス領→独立→社会主義→軍事独裁政治→民主化[/su_note]

のような変遷をたどり、現在に至っています(歴史については次回記します)。
通貨はKyat(チャット。MMKと表記)です。執筆時点の為替レートは、1MMK=0.1JPYで、一桁切り下げれば日本円換算になります。
現地では基本的にKyat支払いですが、空港やホテルなどでは米ドル支払いのみという所もあります。
物価は、感覚的に、お隣タイの半分くらい、日本の五分の一くらいです。ただし、ホテルは慢性的に不足していて、値段が高く、設備等を考えるとかなり割高です。
現地の言語はミャンマー語ですが、外国人が出入りするような所は英語が通じます。他のASEAN国(シンガポール、マレーシアを除く)と比べて、英語力はかなり高い印象を受けました。発音も比較的聴き取りやすく、言葉で困ることはあまりありませんでした。

ミャンマーの入出国

ミャンマーに入国するにはビザが必要です。インターネットで申請するeVISAが利用できるようになったので、事前に日本で申請しておきます。料金は50USDで、クレジットカードで支払います。申請が通ると、数日後にApproval Letterがメールで届くので、それを印刷して持参します。
イミグレーションではその印刷したものを入国審査員に見せればOKです(空港でのArrival VISAの受け取りは不要。「eVISA取得済みの人はそのままイミグレーションへ進んでください」という看板が出ています)。
なお、帰りの便の予約票の提示は不要でした。
出国時の出国税や空港利用税は、以前は10USD必要だったようですが、現在は不要です。

ヤンゴン国際空港。
簡素な作りでこじんまりとしていますが、清潔です。

最初にする3つのこと:両替、SIM、タクシー

まず両替ですね。ヤンゴン空港のバッゲージクレームの横に両替所が4カ所くらいあります。レートが異なるので、表示されている数字を比べて両替します。空港でのKyatへの両替は、米ドル、ユーロ、シンガポールドルのみが可能です。しかも高額紙幣の新札はレートが良いため、100USDや50USDの新札を調達して持参していくのがよいです。

携帯電話のSIMカードも両替所の横の販売ブースで購入しました。通信量上限1GB、最長30日間の使用で11,500Kyat(約1200円)でした。

到着口を出ると、ご多分に漏れずタクシーの客引きがすごいですが、他所の国よりも”あつかましさ”が少ないように感じました。ミャンマー人の人柄なのか、まだ外国人にスレきっていないからなのかは分かりませんが、振り切るのが楽なのは助かりました。
タクシーはメーター制ではなく交渉制です。空港出口付近に定額タクシーのカウンターがあるので、面倒あるいは心配な方はそれを使うとよいでしょう。なお、相場(7,000Kyat前後。700円くらい)よりも1,000Kyat(100円)程度高いようです。
この時は、空港から少しだけ歩いて通りに出て、空港で乗客を降ろしたドライバーと交渉しました。他国でも同じですが、こうすると割安です。ふっかけてくるドライバーは袖にして、別のドライバーと交渉、それを数回繰り返し、最終的にダウンタウンのホテルまで6,500Kyat(約650円)で手を打ちました。
ヤンゴンでも渋滞は日常的で、曜日や時間帯によって度合いは異なりますが、この時はホテルまで50分くらいかかりました。
ミャンマーには人懐こい人が多い印象で、特に、何度も利用したタクシーでは、毎回色々と話しをしました。「両替してあげるよ」とか「明日の移動のドライバーやってあげるよ」とか商売気を見せはするのですが(どちらもお断りしました)、先述のように、あつかましさが少なく、どこか人の良さを感じます。

滞在中話しをした複数のミャンマー人が
「ちょっと前までの政府(軍事独裁政権)の時には、物価は高い、取り締まりは厳しい、国民の救済など全く考えていない、とひどいものだったが、今の政権に移ってからはかなり生活がしやすくなった」
と異口同音に力説していたのは興味深いことでした。
また、「日本企業の進出が盛んで、日本人が非常に増えた。日本製品も多いよ」とも、好意的に語っていました。

バッゲージクレーム横の両替所。微妙にレートが 異なります。
人が並んでいる青いブースでは携帯電話のSIM カードを販売していました。

今回はこれで終了です。次号はミャンマーの歴史をお届けします。
ではまた次回お会いしましょう。