2016.09号 マレーシア編(1)

皆様こんにちは、株式会社コアブリッジの柳です。
今号からマレーシア編をお届けします。

マレーシア概要

マレーシア(Malaysia)は、国土面積が日本の9割くらい、海を挟んでマレー半島南部とボルネオ島北部を領土とする国です。首都はクアラルンプール(KL)です。
一年を通して気温が30度前後で雨量も多いですが、雨季と乾季があります(時期は地域によって異なります)。乾季でもスコールがあり、雨季でも一日中雨が降り続くわけではありません。
人口はおよそ3千万人(数字はマレーシア統計局の統計データによる)で、マレー系(7割弱)、中国系(2割強)、インド系(1割弱)が居住する多民族国家です。
公用語はマレー語(マレーシア語)ですが、広く英語も使われます。
イスラム教を国教としており、他にも仏教やヒンドゥー教なども信仰されています。信仰の割合は、前述の民族比率とだいたい一致します。
特徴的なのは、国家元首の国王が選挙制ということです。マレーシアは小さな王国が集合して成立した国家であるため、世襲制ではなく5年を任期として選挙で決められます。
なお、議会は二院制で、首相が行政の長というのは日本と同じです。
通貨はマレーシアリンギット(RMあるいはMYRと表記)で、為替レートはこの原稿執筆時点で大体1RM=25円です。物価は、モノによって異なりますが、感覚的に日本の半分くらいでしょうか。
日本との時差は1時間(日本が進んでいる)で、シンガポールと同じ時間帯です。
時間帯の設定のためでしょうが、日の出が7:30くらい、日沈が19:30くらいと、朝明るくなるのが遅いです。日本人にとっては、時差が2時間だとちょうどいい感覚です。

クアラルンプール(泥の川が交わる場所)という名前の由来である、クラン川とゴンパック川の合流地点。
合流地点の奥に見える白い建物はKL最古のモスク”マスジッド・ジャメ”。

マレーシアの入出国

クアラルンプール(KL)の空の玄関口はクアラルンプール国際空港(略称KLIA)です。黒川紀章が設計し大成建設や竹中工務店などが建設した(※敬称略)、近代的で巨大なアジアのハブ空港です。
空港はメインターミナルのKLIAと、マレーシアを本拠地とするAirAsiaが使うLCC用のKLIA2に分かれています。KLIAとKLIA2のターミナルビルは直結しておらず少し離れているので、乗り継ぎ時には注意が必要です(電車やバスが出ています)。
ちなみに、KLIAは”キリア”あるいは”クリア”と発音するとガイド等にあったのですが、向こうでそのように呼んでいるのを私は聞いたことがなく、移動時の券売所でも”ケイ・エル・アイ・エイ”と伝えてようやく分かってもらえました。

クアラルンプール国際空港(KLIA2)。巨大で機能的な空港です。
クアラルンプール国際空港(KLIA2)
搭乗口近くにあったイスラム教徒向けの祈祷室(Prayer room)。

日本国籍の人は、90日以内の滞在であればビザは不要です。
入国審査は、イミグレーションでパスポートを提示するのみで、入国カードなどの記入・提出は不要です。
ただし、係員によって差があるようなのですが、指紋登録を要求されることがあります。
係員が両手の人差し指を見せるしぐさをしてきたら、手元にある小さなコピー機のような機械に、両手の人差し指の腹をしばらく軽く押し当てていればOKです。

入国後の3タスク

毎度おなじみの「両替」「SIMカード入手」「移動手段確保」です。
両替は、空港内にある銀行の両替ブースでできます。ただし、レートは街中よりも1割以上悪いです。
携帯電話(スマートフォン)のSIMカードは、各通信事業者が競うように空港内に店舗を出しているため、選び放題です。
プランも様々ですが、例えば、7日間で1GBの通信上限で8リンギット分の通話付きで27リンギット(約700円)、のようなものがあります。
空港からKL市内に向かうには、タクシー、バス、電車(KLIA Ekspress)があります。
タクシーは空港出口付近にチケットを購入するカウンターがあるので、そこで行き先を告げてお金を支払います。
タクシーにはクーポンタクシーとメータータクシーの2種類あり、購入するカウンターが別になっています(クーポンは青い看板、メーターは赤い看板)。
初めての方は定額制のクーポンタクシーのほうが安心でしょう。 クーポンタクシーにもBudget(4人乗り、普通車で安い)/Premier(同、高級車で高い)/Family(5〜9人用のバン)の3種類あるので、カウンターで車種を指定してクーポンを買います。
クーポンの値段は、KL市内行きでそれぞれ74.8RM(約1,900円)/102.6RM(約2,600円)/200.2RM(約5,000円)です(※)。
渋滞状況にもよりますが、1時間から1時間半くらいでKL市内に着きます。

チケット売場。写真では6番5番の青いブースがクーポンタクシーの、4番の赤いブースがメータータクシーの、3〜1番のブースがバスのチケット販売カウンターです。
KLIA Ekspress。空港とKL Sentral駅の間を30分で結ぶ特急です。

タクシーと同様に、空港バスのチケットもカウンターで購入できます。空港からKL Sentral駅までのバスで、金額は10RM(約250円)、所要時間は約1時間です(※)。
空港からKL市内までの最速の移動法は、KLIA Ekspressという特急です。KLIA2からKL Sentral駅までを結ぶ特急で、55RM(約1,400円)、所要時間は約30分です(※)。
券売所窓口では、行き先と人数と片道/往復(One way/Both ways)を伝えます。クレジットカードでの支払いが可能なのが結構ありがたいです。

※金額は執筆時点のもの。価格変更がありえますので必ず最新情報をご確認ください

今回は以上で終了です。次回はマレーシアの歴史をお届けします。
ではまた次号でお会いしましょう。