2018.09号 香港編(2)

皆様こんにちは、株式会社コアブリッジの柳です。
今号は香港の基本情報です。

香港概要

香港(Hong Kong)は、香港島、九龍、新界の三地域からなる、中華人民共和国にある都市で、正しくは中華人民共和国香港特別行政区(Hong Kong Special Administrative Region:SAR)です。
先号で述べたように、中国では香港がイギリスから返還されてから「一国二制度」を実施し、香港に「高度な自治」と「社会主義ではなく資本主義制度」を認めています。
「国家」元首は中国の国家主席(習近平)ですが、行政は香港特別行政区政府の長官が代表をつとめます。任期は5年で再選は1度のみ可能であることが、香港の憲法に相当する「中華人民共和国香港特別行政区基本法」(Basic Law)で定められています。
東京都の約半分の面積(約1,080平方km)の中に、人口は745万人(2018年時点)を抱えており、人口密度は東京都より1割ほど大きい値です。
香港は19世紀半ばから埋め立てにより土地が造成されており、分かりやすいところで言えば、国際空港や香港ディズニーランドなどは埋立地に建設されています。
現在も埋め立ては続けられており、香港の陸地面積は年々少しずつ増えています(2015年→2018年の3年間では0.9%増加しています)。

※数字は、香港特別行政區政府および同統計處の「香港統計年刊Hong Kong Annual Digest of Statistics」から引用

VictoriaHarbour
香港島と九龍半島を結ぶビクトリア・ハーバー。世界三大夜景の一つとして有名ですが、19世紀から埋め立てが続けられています

平均寿命(男女あわせた平均)は世界一で、世界銀行の統計データによれば、
 一位:香港(84.2歳)
 二位:日本(84.0歳)
 三位:マカオ(83.8歳)
 四位:スイス(82.9歳)
 五位:スペイン(82.8歳)
となっています(2016年時点)。

言語は広東語(標準中国語と比べると非常に威勢が良い!)で、もちろんビジネスでは英語も使われますが、街中では英語が通じないことも多くあります。
通貨は香港ドル(HKD)で、現時点でのレートはだいたい1HKD=15円くらいです。
紙幣は、中国銀行、香港上海銀行(HSBC)、スタンダード・チャータード銀行の3行が発行しているため、デザインも3種類あります。

日本との時差は1時間(日本が進んでいる)、気候は亜熱帯に属しますが、ゆるやかな四季があり、気温は年を通して日本と同じように変動します(東京の最高気温より3〜5度くらい高い)。
香港というと高温多湿のイメージが強く、実際その通りですが、夏場は日本のほうが高温になりますし、冬場は香港でも防寒が必要です(暖房設備は基本的にありません)。

入出国

香港は中国の一部ではありますが、中国以外の国はもちろんのこと、中国本土や、同じ特別行政区であるマカオに対しても、出入国の手続きが必要です。
入国は、パスポートと記入済みの入国カード兼出国カードを提出するだけです。
入出国カードはカーボン紙になっていて、記入するとそのまま二枚目の出国カードにも内容が写され合理的です。
香港ではパスポートへのスタンプは廃止されていて、代わりに滞在期限が印刷された小さな紙を受け取ります。
出国も、パスポートと出国カードを係員に渡すだけですが、2017年10月から"Smart Departure"という顔認証出国システムによる自動出国ゲートが導入されています。
パスポートを読み取り機にかざし、顔写真を撮られて処理終了という、いたって簡単かつ短時間で済むものです。
自動出国ゲートではパスポートのみ読み取るため、出国カードは実質不要です。
なお、入出国の要領は、飛行機のみでなく、フェリーの場合でも同様です。

入国後の3タスク

両替は空港内に両替所があります。携帯電話のSIMカードも一緒に販売しているので、まとめて済ませることが可能です。
香港国際空港から市街地への移動には、エアポートエクスプレス(機場快線)、空港バス、タクシーが使えます。
エアポートエクスプレスで25分(110HKD)、タクシーで40分(300HKD)くらいで中心部のセントラル(中環)に着きます。
香港で交通機関や買い物をするには、日本のSUICAやPASMOにあたるオクトパスカード(八達通)が便利です。
空港到着ホールを突っ切って、エアポートエクスプレス乗り場近くにある旅客服務(Tourist Services)で入手できます。

エアポートエクスプレス。約25分の所要期間で、香港国際空港と中環を結びます
オクトパスカード。カードリーダーで残額を確認しているところです

今号は以上で終了です。
ではまた次回お会いしましょう。

※本文中の数値やURL等は執筆時点のものです