2016.12号 マレーシア編(3)

皆様こんにちは、株式会社コアブリッジの柳です。
マレーシア編最後の今号では現地の様子をお届けします。

街の様子

首都クアラルンプール(KL)は、東京やシンガポールとさほど変わらない街並みです。
交通の中心地であるKLセントラル駅では、行き先案内に日本語が併記されているので、初めての場合でもだいぶ気が楽でしょう。
イスラム教国のため、スカーフ(ヒジャブ)を被った女性を多く目にします。
ホテルの天井にはイスラム教の聖地”メッカ”の方角を指す矢印(キブラ:Qiblaといいます)のシールが貼られています。ムスリム(イスラム教徒)はこの矢印が指す方向を向いて一日5回お祈りをするのですね。

KLセントラル駅。行き先案内には日本語が併記されています。ちょっと驚き!
ホテルの天井に貼られている、メッカの方角を示す矢印のシール。

インフラ状況

電気、通信、水道、どれもしっかりと整備され、なんの心配もありません。
水道水は飲食用には適していないので、ミネラルウォーターを飲みます。
マレーシアはシンガポールに水を輸出していて、シンガポールでは水道水が飲めるくらいなのにマレーシアではなぜ飲めないのか、と不思議に思えるのですが、浄水直後は日本と大差ないほどの綺麗さであっても、水道管や貯水槽が汚れているためです。

交通事情

首都クアラルンプール(KL)では、電車、バス、タクシーが整備され、近距離長距離ともに移動手段が豊富です。
KLを中心に敷設されているLRT/KLモノレール/KTMコミューターの3鉄道はKL内の移動に便利です。
ただ、路線図上の乗り換え駅でも改札間の距離が非常に離れていたり、自動券売機によっては小額紙幣(5RM以下)のみ受付可能なことがある(券売所窓口はスタッフ留守のことが多い)点は注意が必要です。
長距離移動にはバスがよく使われ、空港と思えるほど巨大なバスターミナルに発着します。

長距離バスが発着するTBSバスターミナル。空港のように巨大です。
バスの座席は豪華仕様で、長距離移動でも快適です。

タクシーには一般タクシーと高級タクシーがあります。後者は車全体が青色です(赤青二色の車体を見かけたらそれは一般タクシー)。
高級タクシーは料金が一般タクシーの倍くらい(一般タクシーの初乗りが3RM(約80円)、200mまたは36秒ごとに0.25RM(約7円)ですが、元々料金が安いうえ、メーターを使ってくれるので、不慣れな場合でも比較的安心です(金額はマレーシア陸上公共交通委員会のWebサイトから引用)。
ただ、マレーシアのタクシードライバーにはマナーが悪い人が結構いて、ぼったくりや目的地と違う場所で降ろされることなどがあるので、おかしいと思ったらすぐに降りて別のタクシーを探すくらいの気でいたほうがよいです。

通信事情

2015年時点での電話契約数は、固定電話が約440万(14.3%)、携帯電話が4,410万(143.9%)と、携帯電話の契約率はお隣シンガポールとほぼ同じです(数値はITUの統計データから引用)。
スマートフォンがかなり普及し、通信会社も複数から選択でき、通信品質も高いです。
多くの公共施設や商業施設では無線LANが無料で使えるため、通信は容易にできます。

マレーシアの食事

最後はいつもの通り食事で締めましょう。
マレーシアの食事には、構成民族にあわせて、大きくマレー/中華/インド/ニョニャの各料理があります。この食事情はシンガポールとほぼ同じです。
ちなみに、”ニョニャ”はプラナカンとも呼ばれ、マレーシア人と中華系移民の混血のことです。
マレーシアで食べられる料理の代表格として、ココナツミルクで炊いたご飯に鶏肉などのおかずをのせて食べる”ナシ・レマッ”、豚肉をスープで煮込んだ”バクテー(肉骨茶)”、麺料理の”ラクサ”などがあります。辛すぎるなどということはなく、どれも日本人の口に合います。
ナシ・レマッのご飯はしつこくなく、ほんのり甘みがあります。
バクテーはシンガポールでもよく食べられますが、味やスープの色が異なります。シンガポールのものはスープが白色で胡椒が効いているのに対し、マレーシアのものは黒色スープでコクがあり、ニンニクや鷹の爪を入れて調合したタレをつけて食べるとかなりイケます。
ラクサは地域によって食材や味付けが異なり、日本のラーメンのように食べ比べができます。

豚肉を煮込んだ肉骨茶(バクテー)
インド料理のビリヤニ。スパイスの効いた米料理
ココナツミルクで米を炊いたナシ・レマッ
ニョニャ料理のカレー・ラクサ

治安、物価、環境面などで日本人にも人気のある親日国マレーシア。
最近では、マレーシア-シンガポール間を結ぶ高速鉄道の受注を日本がなんとか獲得しようとしているなどの報道を度々見聞きします。
LCC(AirAsia)の普及により行き来もしやすくなり、より身近になってきています。
今回は以上で終了です。次回からはブルネイ編に移ります。

ではまた次号でお会いしましょう。