2018.01号 ASEAN総集編

皆様こんにちは、株式会社コアブリッジの柳です。
今回は、ASEAN総集編をお届けします。前回のカンボジア編で、ASEAN10カ国を網羅しました。最初にお届けしたベトナム編から約4年かけての連載でした。
変化が早く大きい新興国が多いため、現在ではだいぶ様変わりしている国も多数あります。
連載開始からここまでの4年間(2014年1月-2017年12月)に起きた主な出来事を挙げてみます。

国家元首や為政者の交代(※国名は五十音順、人名は略称・通称、敬称略)

国名    :交代  :前職→現職(現職就任年月)       ※備考
インドネシア:大統領 :ユドヨノ→ジョコ・ウィドド(2014.10)
カンボジア :不変  :※最大野党の解党命令(2017.11)
シンガポール:大統領 :前任2名→ハリマ・ヤコブ(2017.9)
タイ    :国王  :プーミポン→ワチラーロンコーン(2016.10)
:首相  :インラック→(代行→)プラユット(2014.5)※軍政維持
フィリピン :大統領 :アキノ三世→ドゥテルテ(2016.6)
ブルネイ  :不変
ベトナム  :国家主席:チュオン・タン・サン→チャン・ダイ・クアン(2016.4)
マレーシア :国王  :アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー→ムハンマド5世(2016.12)
ミャンマー :大統領 :テイン・セイン→ティン・チョウ(2016.3)※スー・チー国家顧問
ラオス   :国家主席:サイニャソーン→ヴォーラチット(2016.4)

主な出来事

2014年
インドネシア:新大統領就任
タイ    :クーデター発生、軍事政権へ移行
フィリピン :人口一億人突破、台風による大被害
ブルネイ  :新刑罰施工
ベトナム  :日越友好橋完成
マレーシア :航空機行方不明、クアラルンプール国際空港第2ターミナル開港

2015年
シンガポール:独立50周年、”建国の父”リー・クアンユー死去
タイ    :爆弾テロ発生
フィリピン :国際警察とテログループとの銃撃戦
ベトナム  :ベトナム戦争終結40周年、ベトナムドン通貨切り下げ
ミャンマー :総選挙実施、政権交代

2016年
インドネシア:爆弾テロ発生
カンボジア :成田-プノンペン直行便就航
タイ    :前国王死去、新憲法案国民投票により可決
フィリピン :新大統領就任、日比友好60周年、天皇皇后陛下渡比
ベトナム  :ベトナム共産党新指導部発足
ラオス   :ラオス人民革命党新最高責任者就任

2017年
カンボジア:最高裁最大野党解党命令
タイ   :前国王葬儀
ブルネイ :国王即位50周年
マレーシア:空港で北朝鮮金正男氏殺害、日マ外交樹立60周年
ミャンマー:ロヒンギャ避難民問題拡大

その他もろもろ

このコラムの前身を含めた連載開始時の5年前と比較すると、以下のようなことが起き、そして感じています。
為替が円安になり、それとは別に、ASEAN各国の物価が上がっています。10カ国のコラムで、各国の物価が感覚的に
日本のどれくらいかを記しましたが、為替や物価の変動により、各国が一様に「日本の半分くらい」という評価に
なってしまい、結果としてASEANの各国同士の比較の役には立たなくなってしまったことが自分としても不本意(?)
です。
また、残念なことに、日本の存在感は低いまま回復せず、「日本に追いつき追い越せ」だったはずが、日本を除外
あるいは軽視する雰囲気が出てきているのは否めません。中国の存在感が否応なしに大きいということもあります
が、他国と比べて、相対的に、ビジネスの進展の遅さや実行力の低さ、労働環境の悪さ、昨年頃から露呈している
企業の不正、など、魅力に乏しくなってきているのも事実です。
多国語で書かれた看板や商品に貼付されている説明書に、以前は日本語の記述が含まれていたのがなくなっていた
りなど、寂しい思いをすることが増えてきました。
ただ、日本食は相変わらず各国で人気があり、多くの日本料理店が営業しています。
2020年の東京オリンピックに向けて多くの改善や変化の兆しが見えています。それでどれだけ変わっていくか期待
するとともに、自分にできることで日本の良さを伝えたいと強く思います。

ASEAN編は以上でひとまず一段落です。
次号からは、ASEAN以外のアジアにも視野を広げていきます。

※本文中の数値等は執筆時点のものです