2017.08号 カンボジア編(1)

皆様こんにちは、株式会社コアブリッジの柳です。
今号から、カンボジア編に移ります。
史上最悪と言われる自国民による大虐殺を経ながらも、近年高成長を遂げている同国について、複数回にわたり情報をお届けします。

カンボジア概要

カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)は、インドシナ半島の南部にある、国土面積が日本の半分くらいの立憲君主制の国です。
首都はプノンペン(Phnom Penh)です。
人口は2015年時点でおよそ1,550万人(数字は国際連合の “World Population Prospects 2017” から引用)、大半がクメール人(カンボジア人)です。
公用語はクメール語(カンボジア語)です。外国人が出入りする場所では英語が通じますが、周辺他国と比べる英語が達者な人は少ない印象です。
国民の9割以上が仏教徒で、上座部仏教を国教としています。
通貨はカンボジア・リエル(KHRと表記)ですが、米ドルが流通しています。為替レートはこの原稿執筆時点で大体1JPY=38KHR、1USD=4,100KHRです。
1USD=4,000KHRとして、1米ドルの端数(セント)の代わりにリエル紙幣が使われています。例えば0.5USDの釣り銭の場合に2,000KHR紙幣が返ってきます。カンボジア出張時には、地元の小さな商店で買い物をする時などを除けば、リエルでなく米ドルを使うことが圧倒的に多いので、米ドルを持っていれば支障はないでしょう。
物価は、モノによって異なりますが、感覚的に日本の三分の一くらいでしょうか。チップの習慣は基本的にありません。
カンボジアでは米ドルの偽札が出回っているため、高額(目安で20USD以上)の米ドル紙幣を出すと、入念に紙幣を確認されます。ヨレヨレの紙幣を出そうものなら「新札はないのか」と言われます。
日本との時差は2時間(日本が進んでいる)です。
季節は大きく雨季と乾季に分かれ、6-10月が雨季、11-5月が乾季です。タイなどの周辺国と同様、4月が最も暑い時期です。

カンボジアの入出国

カンボジアの国際空港は、プノンペン、シェムリアップ、シアヌークビルにあります。ビジネスではプノンペン、観光で後者2つを使うことが多いでしょう。

プノンペン国際空港(旧称:ポチェントン国際空港)
シェムリアップ国際空港(愛称:アンコール国際空港)

日本からは2016年に成田-プノンペンの直行便が就航しましたが、それ以外はバンコク(タイ)、ホーチミンシティやハノイ(ベトナム)、マレーシアなどを経由して行きます。
入国にはビザが必要で、事前に日本で取得していくか、カンボジアの空港で取得します。事前に取得する場合は、インターネットで申請するeVisaが便利です。eVisaのWebサイトから申請し、クレジットカードで36USD(執筆時点。金額は変わるので最新情報をお調べください)を支払うと、たいてい1日以内でビザがeメールで送られてきます。メールに添付されたビザを印刷してイミグレーション時に提示します。
空港で取得する場合には、飛行機を降りて空港建物に入ってすぐのところにビザ取得カウンターがあるので、入国審査の前に、そこに並んで取得します。
入国審査では、パスポートとビザ、機内で配られて記入した入国・出国カードを提示します。指紋も取られるので、手元の機械に指を置き、右手4本→右手親指→左手も同様、の順にスキャンを受けます。過去に入国したことがあって指紋の採取が済んでいる場合には、右手4本のみです。スキャナの精度が悪く、エラーが出やすいのですが、慌てずやり直しましょう。
出口付近に税関申告所があります。特に申告するものがなければ、係員に税関申告書を渡す、もしくは申告書を入れる箱に書類を投入するだけです。

プノンペン国際空港内のバッゲージクレームがあるフロア。左のカウンターが両替所。奥に見えるのが税関。申告するものがない場合には、左側の緑のレーンの”Nothing to declare”へ、ある場合には右側の赤のレーンの”Goods to declare”へ進みます。

出国時のイミグレーションでは、パスポートと出国カードを提出します。指紋は右手4本のみ採取されます。イミグレーションの後に荷物のチェックを受けて出国手続き完了です。

入国後の3タスク

毎度おなじみの「両替」「SIMカード入手」「移動手段確保」です。以下は、プノンペン国際空港についてですが、シェムリアップ国際空港も空港の造りが似ていて、ほぼ同様です。
バッゲージクレームのフロア内に両替所があります。日本円を問題なく両替でき、米ドルへの両替なのかリエルへかを聞かれます。他国同様、街中よりもレートが悪いです(私が両替した時は1割くらい悪かった)。
空港を出て目の前に携帯事業者の販売カウンターが並んでいて、そこでSIMカードを購入できます。
「通信のみか通話ありか?滞在日数は?」と聞かれます。「1$分の通話+2.5GB分の通信で6$」「1$分の通話+6GB分の通信で10$(30日間有効)」「11GB分の通信で15$(30日間有効)」など、様々なプランがあリます。
店員は数日間の滞在でも二番目の10$のプランを強引に進めてきます。「違いは何か」と聞くと「Unlimited(通信料無制限)」との回答。でも、上述のように上限はあるし、2.5GBも使えるのであれば、最初に挙げた6$のプランで十分です。
隣のカウンターで購入していた欧米人らしき旅行者は、出した紙幣がほんの少しヨレヨレだっただけなのですが、店員から「新札に代えてくれ」と断られていました。
タクシー手配所はSIM売り場とは並んでおらず、道を渡った所にあります。行き先を伝えると、金額が書かれたチケットを渡され、タクシー運転手に引き合わされて、車に乗り込みます。値段は行き先により異なりますが、私が宿泊した王宮近くのホテルまでは12$でした。チケット代は手配所では払わず、降車する時にチケットに書かれた金額を支払うので、ぼったくりの心配はありません。
空港から市街地までは車で30分くらいの距離ですが、渋滞がひどいため、たいてい1時間程度かかります。

プノンペン国際空港の建物を出たところにあるタクシー手配所。行き先を告げると料金の書かれたチケットをもらえます。支払いは降車時に行います。
タクシーチケット

今回は以上で終了です。次号ではカンボジアの歴史をお届けします。
ではまた次号でお会いしましょう。

※本文中の数値やURL等は執筆当時のものです